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外来で診る病気
頭痛
頭痛はさまざまな原因によって起こります。くも膜下出血などの緊急の治療が必要なものから、市販の痛み止めを服用して少し経過を見てよいもの、通常の痛み止めでは効きめが弱いが特効薬を使うと早く痛みが治まるもの、繰り返し痛み止めを使ううちに次第に効かなくなってゆくもの、等々。とりわけ働き盛りの方が頭痛のために日常生活に支障をきたすことがないよう、適切な対処法を考えてゆきたいと思います。
当クリニックは、働いている患者さんにもご利用いただけるよう、月曜日の夜は19時まで、また土曜日も朝9時より12時まで外来を受け付けております。
脳の画像診断をされていない方には、脳腫瘍などの原因がないか、画像検査を受けていただきます。頭痛の原因によって使うお薬が異なります。お薬のほかに生活習慣のアドバイスもいたします。片頭痛
頭痛ダイアリーをつけていただきます。
痛みが始まったら早めに(発症より1時間以内に)トリプタン製剤をお使いいただきます。1回の使用で治まらないときには2回目以降の使用も可能です。お薬によって間隔を空ける時間が異なるので注意が必要です。痛みが治まったら予防のお薬を服用して発作の間隔を長くするようにします。
予防のお薬は何種類かありますので、最も効果があり副作用の少ないものを見つけてゆきます。
群発頭痛
夜中に眼の奥が錐で刺されるように痛み、眼が真っ赤になり、涙があふれるなどの症状を呈します。トリプタン製剤の自己注射が効果的です。
慢性片頭痛
経過中に片頭痛発作が増加し、頭痛が月に15日以上の頻度で、3か月以上続く状態です。機序として下行性疼痛抑制系の機能低下が考えられ、それらを補うお薬を用いて治療をします。
片頭痛に用いるお薬
- イミグラン
- 代表的なトリプタン製剤のお薬です。セロトニン受容体を介して過度に拡張した頭部の血管を収縮させることによって痛みを和らげます。痛みが始まった頃に内服すると効果的です。1回50mgを内服します。内服薬のほかに注射薬、点鼻製剤があります。
- ミグシス(一般名:ロメリジン塩酸塩錠)
- 片頭痛の発作を予防するお薬です。発作間歇期に定期的に1日10-20mgの内服を行います。
- デパケン バレリン(一般名:バルプロ酸ナトリウム)
- てんかんのお薬です。片頭痛の発作を予防するには発作間歇期に定期的に1日500-600mgの内服を行います。有効血中濃度は21から50μg/mLです。
- インデラル(一般名:プロプラノロール塩酸塩錠)
- 高血圧症や不整脈に対するお薬です。片頭痛の発作を予防するには発作間歇期に定期的に20-60mgの内服を行います。
- アジョビ、エムガルティー、アイモビーグ
- 片頭痛の発作を予防する新しい注射薬です。4週間または1か月に1回皮下注射を行います。患者さんが自分で注射することも可能です。
てんかん
脳の特定部位の神経細胞の活動が高まり、意識が消失したり体が不随意に動く発作をくりかえす病気です。若い時から見られることもありますが、加齢とともに脳卒中や認知症が原因でてんかんを発症することもあります。
当クリニックは、働いている患者さんにもご利用いただけるよう、月曜日の夜は19時まで、また土曜日は朝9時より12時まで、外来を受け付けております。
脳の画像診断をされていない方には、脳腫瘍などの原因がないか画像検査を受けていただきます。また脳波検査を行うこともあります。
発作が起きないようにお薬を用いて治療します。お薬には様々な種類がありますが、発作のタイプに合わせて選択します。お薬は神経細胞の活動を抑えるため、副作用として眠気やふらつきが出ることがあります。定期的に採血をして血液中のお薬の濃度を調べ、量を調節してゆきます。
お薬を使っても発作が止まらない場合には、てんかん専門の病院にご紹介します。妊娠を予定されている方、運転免許についてお困りの方、ご相談をお受けします。
治療費用への公的な補助、自立支援医療制度(自己負担限度1割、上限額あり)、精神障害者保健福祉手帳などのご相談も承ります。
てんかんに用いるお薬
- デパケン、バレリン、セレニカ(一般名:バルプロ酸ナトリウム)
- よく使用されているお薬です。最新のてんかん診療ガイドライン2018では焦点てんかんの第2選択薬、全般てんかんの第1選択薬となっています。ゆっくり溶ける徐放製剤、液体のシロップ製剤、顆粒製剤もあります。通常、朝、昼、夕と1日3回、または朝、夕の2回に分けて内服します。有効血中濃度は50から100μg/mLです。副作用として肥満、低ナトリウム血症(なんとなくボ-ットとする)、高アンモニア血症(なんとなくボーッとする)などがあります。妊娠期間中に内服すると出生児の先天奇形、IQ低下の頻度が増えることから、妊娠の可能性がある女性への使用は避けるべきとされています。
- イーケプラ(一般名:レベチラセタム)
- 比較的新しいお薬です。てんかん治療ガイドラインでは焦点てんかんの第1選択薬、全般てんかんの第2選択薬となっています。注射製剤があることから脳神経外科の手術を受けた患者さんによく使われます。朝夕の2回に分けて内服します。副作用として内服を開始した頃に、興奮しやすくなったり、怒りっぽくなることがあります。
- ビムパット(一般名:ラコサミド)
- さらに新しい薬です。アレビアチンと同様に神経細胞のナトリウムチャネルに作用します。朝夕の2回に分けて内服します。
- フィコンパ(一般名:ペランパネル)
- 新しい薬です。夜寝る前の1回の内服で良いので飲み忘れが少ない利点があります。副作用として眠気、めまい、ふらつきがあります。
脳卒中再発予防
脳卒中には、大きく分けて脳の血管が破れて起きる脳出血と、脳の血管が詰まったり狭くなったために起きる脳梗塞があります。
脳出血の再発予防は、血圧のコントロール、脳動脈硬化の進行を防ぐ生活習慣の改善が主になります。脳梗塞の再発予防は、それらに加えて抗血小板薬または抗凝固薬を内服して、血液をいわゆるさらさらの状態に保つことになります。
抜歯や消化管内視鏡検査などの出血を伴う処置が必要な際には、抗血小板薬や抗凝固薬を休薬ができるか検討します。休薬による脳梗塞再発のリスクは、個々の患者さんの血管病変の状態によって異なります。2017年の消化器内視鏡診療ガイドラインでは、脳梗塞再発のリスクが高い患者さんでは休薬しないで検査を行なうことを推奨しています。歯科医、消化管内視鏡医と抗血小板薬、経口抗凝固薬を処方する医師との連携が必要になります。
脳卒中再発予防のための検査とお薬
- MRI検査
- 脳卒中の既往がある方は、1年に1回はMRI検査を受けることをお勧めします。数年間変化がない場合は、毎年ではなく2年ないし3年毎に間隔をあけても良いでしょう。
- アスピリン、バイアスピリン、小児用バファリン
- 古い薬ですが脳梗塞の再発予防の効果があります。副作用として胃潰瘍が有名です。
- プラビックス(一般名:クロピドグレル)
- 比較的新しい薬です。75mgが標準的な用量です。年齢、体重、症状によって50mgに減量することがあります。副作用がなければ服用を続けます。
- エリキュース(一般名:アピキサバン)、リクシアナ(一般名:エドキサバン)など
- 最も新しい薬です。心臓の不整脈が原因で脳塞栓を起こした患者さんの再発予防に用います。エリキュースは一回5mgを朝夕2回が標準の用量ですが、高齢者、低体重、腎機能低下(クレアチニン1.5mg/dL以上)では、1回2.5mgと減量します。リクシアナは体重60kg以下で30mg、60kg超で60mg1日一回が標準の用量です。体重60kg超でも腎機能、併用薬によっては30mgに減量となっています。
認知症
物忘れを主症状とした病気です。
認知症を治すお薬は未だ発売されていません。しかしながら認知症に伴うさまざまな症状を和らげるお薬が使えます。例えばいらいらや興奮、そわそわや落ち着かない様子などには、適切な応対をするとともに少量のお薬を用いることによって介護負担を減らすことができます。
介護保険を使われていない方には、地域包括支援センター(あんしんケアセンター)をご紹介し説明を受けていただきます。既にお使いの方には、介護度認定に必要な主治医意見書を作成したり、ケアマネージャーが作成するケアプランに医療担当者としてのアドバイスを行います。
肺炎を起こしたり、転倒して骨折した場合は、提携する病院に連絡し専門的治療を受けられるようにいたします。インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンの予防接種を行います。
レビー小体型認知症
物忘れに加えて、睡眠時の異常な行動や、手の震え、顔の表情の乏しさ、手足のこわばり、運動の緩慢などのパーキンソン病の症状が加わることが特徴的です。
認知症に用いるお薬
- アリセプト(一般名:ドネペジル)
- 脳内の神経伝達物質、アセチルコリンを分解するアセチルコリンエステラーゼの働きを抑え、アセチルコリンの濃度を保つことによって神経間の伝達を改善することが作用機序です。3mgの少量から始め、問題がなければ5mgに増やします。アルツハイマー型認知症では最高用量は10mgです。自発性の向上、会話が増えるなどの効果が見られます。副作用として、活発になりすぎたり、不穏になったり、落ち着かなくなったり、不眠になることがあります。1日一回の内服ですが、これらの副作用が見られることから朝の内服が選ばれます。認知症が進行して効果が見られなくなると内服を中止します。錠剤のほかにシロップ製剤、ゼリー状製剤、口腔内崩壊錠があり、錠剤を飲みにくい患者さんにお使いいただけます。
- メマリー
- アルツハイマー型認知症の患者さんは、グルタミン酸の受容体であるNMDA受容体チャネルの機能が亢進しています。メマリーはNMDA受容体チャネルを抑制して効果を発現します。5mgから開始し徐々に増量します。維持量は20mgですが、腎機能が低下している患者さんでは10mgで維持します。落ち着かない、あるいは他者への関りが過剰な患者さんがメマリーを内服すると、表情が穏やかになります。副作用として鎮静しすぎることがあります。顔面浮腫、まぶたの腫れが見られることもあります。1日一回の内服ですが、夕方の内服が選ばれます。錠剤のほかにシロップ製剤、口腔内崩壊錠があります。
- トレリーフ
- もともとはパーキンソン病の治療薬です。2018年7月よりレビー小体型認知症のパーキンソン病様症状にも使えるようになりました。用量は25mgです。特に手の震え、手足のこわばり、動きが緩いことに対して有効なようです。
- デイケア / デイサービス / 認知症対応デイサービス
- いずれも介護保険のサービスです。
デイケアは身体や高次機能の回復を目指したリハビリテーションを行うことが特徴的です。医師の診察の下、理学療法士や作業療法士、言語療法士がリハビリテーションを行います。
デイサービスは、利用者が日中の一定の時間、施設で過ごせるように、レクリエーション、食事、入浴などのサービスを提供します。
また認知症対応デイサービスは、認知症の利用者が快適に過ごせるよう、サービスメニューや配置スタッフに配慮しています。
認知症の方でも身体のリハビリに積極的な方にはデイケアを、そうでない方はデイサービス、認知症が進めば認知症対応デイサービスの利用をお勧めします。いずれも介護支援専門員(ケアマネージャー)を介して申し込みます。
あんしんケアセンター
千葉市内には30か所のあんしんケアセンターがあり、以下のような業務を行っています。
・介護の予防に向けての相談
・介護サービスに関する各種相談
・成年後見制度、高齢者虐待に関する相談
https://www.city.chiba.jp/hokenfukushi/hokatsucare/anshincarecenter.html
JR新検見川駅 南口より100m
(徒歩1分)
南口を出て高架をくぐってすぐ
〒262-0022
千葉市花見川区南花園1-44-9
高山ビル2階